私が医師国家試験に合格し、大学の医局に入局した時に教室の主任教授だった先生が先日お亡くなりになられ、葬儀に参列させて頂きました。本当にお世話になった先生でした。ご冥福をお祈りいたします。
医学部6年生の秋のことです。卒業試験で忙しく、まだ入局先が決まっていなかった私に、なんと直接教授から電話がかかってきたのです。「一度ゆっくりと話しましょうか」食事に招待され、ご馳走になりながら、「よかったらぼくの教室にどうですか?」とお話される教授に(日本酒の酔いもあったかな?)「よろしくお願いいたします」で、私の運命が決まりました。医者になったばかりで右も左もわからない私にとって、先生はまさに「神」と言ってもよい存在でした。仕事が終わらず、夜遅くまで病棟に居残っている時、ふらりと立ち寄られ「頑張ってますね」と声をかけて頂きました。
葬儀には医局の先輩、後輩も多数参列され、久し振りに近況を報告しあったりで、懐かしかったです。当時、第2生理学の教授だったS先生もお見えになり「先生の試験は本当に難しくて、たいへん苦労しましたよ」と言う私に「な~に、本試は落ちても再試でみんな合格にしたんだよ。ハハハ~」と30年以上前と同じ表情で話されたのです。(2018年 6月)